
冒頭のことばは「一兆ドルコーチ」に書かれていたリーダーが持つべき「自分の成功を測るものさし」として示されたものです。「一兆ドルコーチ」の中から僕が指針としたものを、自分自身の備忘録としてまとめてみます。超主観でまとめています。リーダーとなる人もリーダーのもとで働く人も、ぜひ手に取って読まれ、自分なりの指針をまとめられると良いかと思います。
1.チームを最適化すれば問題は解決する
「いきなり問題を解決しようとせず、まずチームに取り組む」とも書かれています。2月1日の書いた、『川の流れが不規則に変化する時代』の、経営の基本を僕は「チーム」という言葉に見出しました。以下に掲げる言葉は、それを補強するものとも言えます。
2.イノベーションと業務遂行の本質的な対立に折り合いをつける
「どちらか一方ではダメで、バランスを取ることが重要」と書かれています。僕自身、仕事に追われて、「改善・改革・創造」のための時間がすいぶんと犠牲になっています。意図的に「作業づけにならずに休みを必ず取る」ことをしないといけないです。個人頼りではなく、日々の時間管理の中に、システムとしてこのための時間が組み込まれていないと、作業の洪水の中に埋没してしまうことは確実です。今年これを実行することにしました。
3.ミーティングの目的はコンセンサスを得ることではなく、最適解を得ること
「グループシンクを排除し、すべての意見とアイデアを俎上に載せてグループ全体で話し合う。チームみんなでそこにたどり着くプロセスも重要」と書かれています。グループシンクは全員が賛成する最大公約数的な意見は凡庸になるということを言っています。ベターでもなく、ベストを導き出すのがミーティングの使命です。だからこそ、あらする意見を排除しないで、テーブルに載せることが必要で、ベストを得るプロセスとして、ケンケンガクガクは必須です。
僕はどうしても「結論ありき」で考えようとしますし、相手の発言を先取りして「こういうことを言いたいんだろ?」と決めてかかる悪いクセがあります。耳は2つ、口は1つ。言うより倍は聞きなさい…という摂理ですね。
4.決定を下さないのは、誤った決定を下すよりたちが悪いかもしれない
「円卓には上座はないが、その背後には玉座がなければいけない」という言葉も書かれています。上下に関係なく誰もが発言し意見を言い合える場でなくてはいけないことと、決定者がいなければならないことを言っています。そして、「合意したことには全力で取り組まなければいけない。それができないならチームの一員じゃない」とも書かれています。
僕には結論が得られるとそれでひと段落してしまう悪いクセがあります。結論とは、行動・評価基準・日程の3つが含まれているものでなければならないと思います。クセを直さないと…
5.もっと耳を傾ければ誰でもいまよりずっと賢くなれる
「相手が言いそうなことを先回りして考えずとにかく耳を傾ける」と書かれています。なかなかこれが難しい。でも、そういう良いクセを自分につけないと、あるべきリーダーにはなれないですね、本当に。
6.つねに第一原理に立ち戻る
「どんな状況にも誰もが納得できる不変の真理がある。困難な決定を迫られたとき第一原理を思い出す」とも書かれています。これは本当に重要なことです。「そもそも、何のための製品なのか?」「そもそも、何をお客様は求めているのか?」から始まって「そもそも自分は何のために生きているのか?」に至るまで、迷ったら本質に戻る…本当に重要です。
7.会社の存在意義はプロダクトのビジョンを実現することにこそある
「それ以外の全要素はプロダクトを世に送り出し成功させるためのもの」とも記されています。さらに「プロダクトチームの目標はつきつめればプロダクト・マーケット・フィットを実現することにある」とも書かれています。ともすると、僕らは「仕様の優劣」や「価格の優劣」ばかりを考えがちですが、まず「製品のビジョン」。この言葉に僕は頭を叩かれました。
8.ウソを嫌う
「ウソは他人にだけでなく自分にも不正直である。そのうち自分の言葉を信じ始め、自分のウソに合わせて真実を曲げるようになる」と記されているように、ウソは人をだますだけでなく、自分も騙されていくということを指摘しています。これは真理だと思います。ウソは何より自身を破滅する麻薬のような誘惑です。チームの中に土壌として「この誘惑を排除する文化」がないといけないですね。
9.たとえ自信が持てなくても自分に課している制約を超えなさい
チームにこの気概を定着させるためにリーダーは「人に力を与え続け、高い目標を設定することを促す『勇気の伝道師』になりなさい」と記されています。サーバントリーダー型リーダーが率いるチームの方が、上意下達型リーダーのチームより利益が上がるという最近の研究結果があるそうですが、日本の組織作りが世界でもてはやされ天狗になってしまった後遺症はまだ残っている気がします。
「自分に課している制約を超える」…これはなぜ働くのか?の第一原理でもありますね。
10.何をするかを指図するな。なぜそれをやるべきかの物語を語れ
付け加えるべき言葉はない気がします。
続きはまた次回。