E = mc²

20171123-1

E = mc²はエネルギーと質量が等価であることを表したアインシュタインの式ですが、エネルギーは物質に、物質はエネルギーに変わることを意味します。エネルギーを転換すれば無から質量(物質)が生まれる、言い換えれば、質量(物質)はエネルギーである…1つの哲学的境地を感じさせるような式です。
 
私たちがいるこの宇宙は、およそ138億年前に、一瞬で1mmくらいの大きさが1000億光年の広さに達するビックバンから始まったと言われています。宇宙には太陽系が属しているこの天の川銀河のようなさまざまな7兆以上の銀河があって、その銀河には数千億の太陽のような恒星があり、その恒星の周りには私たちの地球のような惑星が存在し、その中にはさらに月のような衛星も存在します。
冒頭の写真はハッブル宇宙望遠鏡がとらえたもので、約1万の銀河が写っているそうです。宇宙に存在するすべての物質を足したものに匹敵するエネルギーのすべてが、1mmにも満たない大きさの中に圧縮されていた…この話はどこまでいっても僕には哲学的です。
 
さて、会社もこれと同じ法則が生きている気がします。エネルギーは形と等価です。形は利益かもしれませんし、形は官僚的な形式化かもしれません。エネルギーを外向きに使う作用が働けば、利益となるでしょうし、エネルギーが内向きに使われる作用が働けば、社内の調整やルール作りに費やされることになりそうです。同じエネルギーであるなら、社内調整に使われる割合が小さいほど利益は大きくなることを意味します。もし社内調整が求められるなら、エネルギーの使われ方ではなく、それはエネルギーそのものを大きくする採用をもたらすものでありたいです。そうでなければ会社にはマイナスになります。会社の課題は、どうやって、式の左側のエネルギーを大きくするか、そして、それを内向きに使われないようにするか、にかかっています。cに相当する運動は心のベクトルなのでしょうか。 それはPhilosophy=考え方と言い換えられるかもしれません。考え方が間違っていれば、会社は結局のところ間違った場所に移動してしまいます。
 
私たちは、今もなお猛烈な速度で膨張を続ける広大な宇宙の片隅にいます。移動を続け、変化を続けることが私たち人間の、そして社会の、そして会社の宿命です。移動をやめる、変化をきらうということは、エネルギーを持たないものとなることを意味します。
 
ところで、この宇宙は最初の数秒間で、今の宇宙を成り立たせている物理法則がすべて確立したのだそうです。「1秒はセシウムの原子放射の100億周期にかかる時間」という定義とは別に、変化量をもとに、変化が大きいと時間が進み、変化が小さいとゆっくり進むという時間の考え方があるそうです。そうすると、宇宙誕生から今までの時間では、最初の数秒が最も長く、それ以降の138憶年の方が短くなります。もしかしたら、私たちの時間もこれに近いのかもしれません。充実した時間は長く、たまにはのんびりもいいですが、無為な時間は短くなりそうです。1秒が何百億年より長くなることがあり得るのですから、同じ人生100年でも、1000年分生きることもできるでしょうし、その逆もあり得ます。あなたの変化量による時計の進み方はいかがでしょうか?
 
それにしても、最初の1mmにも満たない大きさの中にあったこの宇宙全体に匹敵する膨大なエネルギー・・・そのエネルギーは何がもたらしたものなのでしょうか。やはりどこまでいっても哲学的ですね。