TQC 船体表面粗さ計/ハルゲージ/Hull Roughness Gauge 表面粗さのパラメータについて

準拠規格

英国BSRA(ビスラ)のHull Roughness Gauge の後継&進化モデルと正式に評価を受けた※ハルゲージ(船体表面粗さ計)
Rt(50)を12点計測しMHRを求め、最終的に全体平均船体粗さ(AHR)を決定します

※2012年のSMM(隔年で開催される海運業の主要な国際的フォーラム・展示会:Hamburger)においてBSRAの後継機としてオフィシャルに紹介を受け実演を行った
BMT社と研究機関の共同研究によって誕生した粗さ計の正統な後継機として承認され2014年にはNACE防錆部門アワードにノミネートされた
PPGより同社が実施した比較テスト結果からBSRAの粗さ計と同じ計測特性を持つことが確認され後継機としてそれまでのデータを引き継げるとの見解を得た

BSRA(英国造船研究協会)が決定づけた粗さ管理のためのパラメータ

Rt(50)
測定針で船体表面を50mmの長さでトレースした際の凹凸を決定します。測定値はμmで表示します。
MHR(Mean Hull Roughness)
平均粗さ:一定の距離でRt(50)を連続して測った数値の平均値です。
AHR(Average Hull Roughness)
全体平均船体粗さ:各セクション面のMHRをさらに総合して平均値化したものが全体平均船体粗さです。

パラメータ Rt(50)

BSRA協会(その後改組されBMT社となる)の船体粗さに関する長年の研究からこのパラメータは決定されました。船体表面上の直線50mmにおける最大の “山と谷”(粗さ)を測定することを基準とし、測定値はμmで表すことを定めたものです。
この パラメータRt(50)による測定結果は、1つ目は塗装時の品質管理としての船体表面の仕上げ状態、もう1つは運行中の維持状態の評価という2つの側面において、船のパフォーマンスへの船体表面の粗さの影響を評価する上で重要であるものです。

パラメータ MHR:平均粗さ

Rt(50)は表面のほんの一部のポイントにおける山谷に基づくパラメータであり、航行時の船体表面の摩擦抵抗を評価するための指標としては局部すぎます。そこでセクションの表面粗さを表すためのMHR(平均船体粗さ)という考え方が生まれました。一般的には各セクションを代表する場所でMHRを求め、それをそのセクションの平均粗さと定義しています。
MHR値を求める公式は下図になります。この式のhiがRt(50)において測定された50mmごとの値を示します。

実際の測定では、測定ユニットを600mm直線状に走行させます。それによりRt(50)が12点連続して測定されることになり(50mm×12=600mm)、12点のRt(50)の平均値がMHRとして表示されます。

パラメータ AHR:全体平均船体粗さ

船体全体のMHRの値を1つにまとめたのがAHR(全体平均船体粗さ)となります。AHRの値は、一般的に全ての船が100−120のセクションから構成されると考え、それぞれのセクションごとのMHRを求め、その平均を求めたものです。公式化すると下図になります。

新造船の典型的なAHR値は約120μmと言われていますが、この値は腐食や生物付着によって300-400μmとなると言われています。

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