隠ぺい力 どんな試験?

対象規格

JIS K5600-4-1(隠ぺい力:淡彩色塗料用), ISO6504-3

塗膜の調整方法

①無色透明のポリエステルフィルムに塗ってそれを黒と白のガラ板上に固定する方法、②黒と白のチャート(隠ぺい率試験紙またはモレストチャート)に直接塗布する方法、の2つの方法から選択します。
※ここでは一般に多用される後者の②についてご紹介します。

適用範囲

白または三刺激値Yが25を超える淡彩色塗料を規定の隠ぺい率紙に塗り面積20m2/L(ぬれ膜厚50μm)で塗布し、その塗膜の三刺激値Yを測定するものです。

隠ぺい率試験紙

  • ● 100mm×200mm以上の大きさで、隣接して白部と黒部が印刷され、かつワニスが塗布されていて、溶剤または水で希釈された塗料で容易にぬれるものの浸透しないものを使用します。
  • ● 白部と黒部はそれぞれ80mm×80mm以上の大きさで、三刺激値Yは白部は80±2、黒部は5以下でなければなりません。

フィルムアプリケーター

  • ● 通常は50~100μmの範囲の厚さで均一なぬれ塗膜を作るアプリケーターを使用します。
  • ● 塗布幅は70mm以上で、各面積が60mm×60mm以上の部分については均一な厚さとします。
  • ● 「自動アプリケーターの使用で容易に均一な膜が得られるので自動アプリケーターを使用することが推奨される」と記載されています。

※ この規定の序文に「同じフィルムアプリケーターを用いても操作者が異なる場合には著しく異なった膜厚の塗膜が得られるので…」という記載があります。

反射率計または分光光度計

  • ● 三刺激値Yを0.3%以内の精度で測定できる反射率計または分光光度計を使用します。
  • ● 標準光源はD65を使用することが望ましいとされています。
  • ● 表面反射を考慮して測定した三刺激値Yから4を引きます(JIS K5600-4-5を参照ください)。

三刺激値Yの測定

  • ● 乾燥するまで平らに保ち、三刺激値を測定するまでに少なくても24時間、23±2℃、相対湿度50±5%に保ちます。
  • ● 隠ぺい率試験紙の白、黒の4か所以上で三刺激値を測定し、平均の三刺激値YWとYBを計算します。YB/YWを計算し%を求めます。

※ 乾燥塗膜の面密度の測定方法も記載されていますがここでは割愛します。

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