ブラスト粗さ 比較板 どう使うの?

対象規格

JIS Z03013 7-b, ISO 8503-1/-2

項目名

ブラスト表面粗さの試験評価方法のうちの「比較板との比較方法」

比較板

ISOプロファイル比較板

種類 区分 粗さの中央値μm 粗さの公差μm 評価分類
比較板G 1 25 3
2 60 10
3 100 15
4 150 20
比較板S 1 25 3
2 40 10
3 70 15
4 100 20

使い方

  1. (1)評価対象となるブラスト加工面は除せい度がSa2 1/2以上で仕上げられた面でなくてはなりません。
    ※除せいが不十分であると、目視で比較する際に本来の粗さ以外の要素により視覚的変化を生じてしまい正しい評価は行えません。
     除せい度(除錆度)については、» ガイダンス:さび度と除錆度はどこが違う? をご参照ください。
  2. (2)目視もしくは7倍以下の拡大鏡により行ないます。
  3. (3)比較板をブラスト面に密着させます(均一な光線下で行なってください)。
  4. (4)比較板の中央の孔から見えるブラスト面が、比較板の4段階の粗さのうち、どの2段階の間にあるかを調べます。
  5. (5)最も粗い区分4と3の中間もしくは区分3と同等であれば「粗」、区分3と2の中間もしくは区分2と同等であれば「中」、区分2と1の中間もしくは区分1と同等であれば「細」と評価します。
例えば「PSPCの塗装基準」では第1次表面処理のブラスト及び粗度の項目には以下の規定があります。
要求事項 参考基準
Sa 2 1/2;30-75μmの間
ブラストは次の時に行なうべきでない。
1.相対湿度85%以上のとき
2.表面温度が露点より3℃未満のとき
ISO 8501-1
ISO 8503-1/3
参考基準の ISO 8501-1 はJISでは Z0315-4-b に該当し除せい度の評価を規定しています。
ISO 8503-1と3 はどちらも表面粗さの試験評価方法で、ISO8503-1 は JIS Z0313-7-b 比較板との比較方法、ISO8503-3 は 顕微鏡焦点合わせによるプロファイル比較板の校正方法を規定しています。
例えば、ISOブラスト比較板(プロファイル比較板)の製造として最も権威があると言われる英国Rubert社の製品添付書類には、比較板マスターをISO8503-3顕微鏡焦点合わせによって実際に計測した値も合わせて示されています。

<参考ページ>
Sa 2 1/2など除せい度に関するご説明は、» ガイダンス:さび度と除錆度はどこが違う?
ISOブラスト比較板マスターの顕微鏡焦点合わせによる計測値のご紹介は、» ブラスト粗さ比較板ってどんなもの?

ブラスト材(研削材)と使用する比較板について

JIS Z0310には、下表のようにブラスト処理用研削材(ブラスト材)に応じて比較板を使い分ける指針が示されています。
※ 下表はその概略です。掲載されている全ブラスト材についてはJIS本文をご参照ください。

分類 初期形状 比較板
鋳鉄 鋳鉄グリット G G
鋳鋼 高炭素鋳鋼ショットまたはグリット SまたはG S
低炭素鋳鋼ショット S S
天然鉱物 けい砂 G G
造鉱物 製鉄スラグ G G
銅スラグ G G
ニッケルスラグ G G
フェロニッケルスラグ S S

※ けい砂は平成19年4月1日をもって適用から除外されました。

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