1.試験の目的

直角の格子パターン(25マス)が塗膜に切り込まれ、素地まで貫通するときの素地からのはく離に対しての塗膜の耐性を評価します。(比較参照：JIS K5400碁盤目試験 100マス）
JISに「この方法を付着性の測定手段とみなしてはならない」と書いてあるようにあくまで良否を判定する定性的試験方法です。付着性を測定する場合には、プルオフ法をご参照ください。

2.準備するもの

（1）切込み工具
多重刃か単一刃を用います。JISに「単一刃切り込み工具はすべてのケースにとって好ましい工具である」と記されているように、単一刃のほうが汎用的に用いることができます。
[単一刃切り込み工具]
先端が右下図のようなカッターです。ごく一般的に市販されているカッターが本規格に適合しますので、刃交換のコストを考えと単一刃を用いるほうが有利です。
[多重刃切り込み工具]
1mmもしくは2mm間隔の6本の刃を持つ切り込み工具。多重刃切り込み工具は120μmを超える厚い塗膜か硬い塗膜に用います。

（2）ガイド
単一刃(市販カッターなど)を用いる場合には、等間隔で切り込むためのガイドが必要です。

3.カットの間隔

※250μmを超える場合にはこの規格は適用できません。単一カット方法は適用可能です。

※軟らかい素地：軟質ゴムや皮革などで、一般の樹脂塗装品は硬いものと考えるのが一般的です。

4.試験の手順

1. （1）塗膜に対して垂直になるように刃を当てて切り込みを行ないます。
2. （2）6本の切込みを行なったら、90°方向を変えて直行する6本の切込みを行ないます。
3. （3）約75mmの長さにテープを取り出します。
4. （4）テープを塗膜の格子にカットした部分に貼り、塗膜が透けて見えるようにしっかり指でテープをこすります。(下図参照)
5. （5）付着して5分以内に60°に近い角度で、0.5～1.0秒で確実に引き離します。(下図参照)。

※軟らかい素地の場合には、付着テープは使用せず、カット面を軟らかいはけでブラッシングした後に観察して評価します。

5.評価方法

試験結果を0～5に分類します。詳細はJIS本文をご参照ください