ためしてみました その1 平板における測定試験結果

- 使用した粉体塗料
- Particle Size:35~38μm Polyester Powder
- 使用した粉体塗装機
- Conallshot:トリボ(摩擦帯電)方式
- 使用した被塗物
- SPCC 板厚0.8mm

1.調整(Calibration)の効果
硬化前の粉体状態の層厚をTAGで測定

硬化後の膜厚を通常の電磁式膜厚計で測定

Color | Calibration | 測定値μm | 誤差Δ | ||
---|---|---|---|---|---|
TAG | 硬化後膜厚 | μm | % | ||
Blue | Factory | 59.9 | 56.2 | 3.7 | 6.6% |
予め用意されているメーカー出荷時の調整値(Calibration)を使用して測定しました。
硬化前の粉体状態をTAGで測定し、硬化後の膜厚を通常の電磁式膜厚計で測定し、その差を確認しました。

Color | Calibration | 測定値μm | 誤差Δ | ||
---|---|---|---|---|---|
TAG | 硬化後膜厚 | μm | % | ||
Blue | User | 33.6 | 32.8 | 0.8 | 2.4% |
50μm前後の粉体塗装板を用意して、硬化前の粉体状態をTAGで測定。硬化後の膜厚を電磁式膜厚計で測定し、その値でTAGを調整(Calibration)してから測定した結果です。
調整により精度が向上したことがわかります。
2.膜厚が大きく異なる場合でも調整(Calibration)は有効か?
Color | Calibration | 測定値μm | 誤差Δ | ||
---|---|---|---|---|---|
TAG | 硬化後膜厚 | μm | % | ||
Blue | Factory | 108.3 | 117 | -8.7 | -7.4% |
同じ青色の粉体塗料で厚膜に塗装しました。予め用意されているメーカー出荷時の調整値(Calibration)を使用して測定しました。
誤差は拡大しています。
Color | Calibration | 測定値μm | 誤差Δ | ||
---|---|---|---|---|---|
TAG | 硬化後膜厚 | μm | % | ||
Blue | User | 109.8 | 119 | -9.2 | -7.7% |
今度は1項の実験で使用した50μm前後の粉体塗装板で得られた調整値を用いて測定してみましたが、改善は見られませんでした。

Color | Calibration | 測定値μm | 誤差Δ | ||
---|---|---|---|---|---|
TAG | 硬化後膜厚 | μm | % | ||
Blue | User | 106.5 | 104 | 2.5 | 2.4% |
100μm前後の粉体塗装板を用意して、硬化前の粉体状態をTAGで測定。硬化後の膜厚を電磁式膜厚計で測定し、その値でTAGを調整(Calibration)してから測定した結果です。
対象膜厚が大きく異なるときには、新たに調整を行うことが必要です。
3.色による影響
Color | Calibration | 測定値μm | 誤差Δ | ||
---|---|---|---|---|---|
TAG | 硬化後膜厚 | μm | % | ||
Ivory | User | 49.1 | 55.2 | -6.1 | -11.1% |
同様にして、さまざま色の粉体塗料で測定をし、色による影響を確認してみました。
Color | Calibration | 測定値μm | 誤差Δ | ||
---|---|---|---|---|---|
TAG | 硬化後膜厚 | μm | % | ||
M. Gray | User | 99.6 | 102 | -2.4 | -2.4% |
Color | Calibration | 測定値μm | 誤差Δ | ||
---|---|---|---|---|---|
TAG | 硬化後膜厚 | μm | % | ||
Black | User | 78.6 | 74.8 | 3.8 | 5.1% |
Color | Calibration | 測定値μm | 誤差Δ | ||
---|---|---|---|---|---|
TAG | 硬化後膜厚 | μm | % | ||
Yellow | User | 83 | 73.4 | 9.6 | 13.1% |
黄色は精度が出にくい色です。測定エラー(TAGが膜厚値を計算できずErrorと表示されてしまう)も数回に1度くらい生じました。
Color | Calibration | 測定値μm | 誤差Δ | ||
---|---|---|---|---|---|
TAG | 硬化後膜厚 | μm | % | ||
Red | ― | ― | 76.3 | ― | ― |
赤はほとんどのケースで測定エラー(TAGが膜厚値を計算できずErrorと表示されてしまう)になってしまいました。