PosiTector 6000の操作方法 (4) 校正(セルフキャリブレーション)

- ◆PosiTector6000 の特徴をご理解いただく一助として、ここでは主要な操作方法の概略をご案内しています。
ご使用に当たっては、PosiTector6000の取扱説明書を必ずお読みください。
ゼロ点調整
(1) 単純ゼロ点調整
塗膜のない素地部分で測定します。もし膜厚計が「0(ゼロ)」もしくは許容範囲内を示さないようであれば、プローブを素地表面から持ち上げ、表示が0になるように「+」もしくは「-」ボタンを押して、表示が「0」になるように調整します。塗膜のない素地表面での測定値が「0」もしくは許容範囲内におさまるまで、測定と調整を繰り返します。
(2) 平均ゼロ点調整
F粗面や曲面において「0」を決定する際には、(1)の方法を5回以上繰り返し、その結果を平均化することをお勧めします。
- ①『較正設定』メニューから『零点調整』を選択します。
- ②「+」ボタンプラスを押して、平均を出すために読み込む回数を決めます(一般には5回)。値のばらつきが大きい場合、平均を出すためにさらに回数をふやして読み込むことが必要です。
- ③繰り返し塗膜のない素地部分で測定します。プローブを表面にセットすると、膜厚計はユーザーがプローブを最適な位置に置くまで2秒待機します。最後の測定が終わると膜厚計は計算を行ない平均値を0に設定します。
正しい当て方 間違った当て方
1点調整
(1) 単純に既知の厚みに調整する
測定対象となる素地上に厚みのわかっているプラスチック片(シム)などを置き、その上から測定をします。もし(許容差の範囲内で)期待した値が得られない場合、プローブをプラスチック片表面からはなして、既知の値になるまで「+」あるいは「-」ボタンを押して表示された値を既知の値に調整します。
(2) 既知の厚みに対して平均調整を行う
測定対象が粗面や曲面の場合には、上記(1)の方法で既知の膜厚を数回(一般には5回)測定し、その結果の平均を既知の膜厚をすることをお勧めします。
- ①『較正設定』メニューから『1点調整』を選択します。
- ②「+」ボタンプラスを押して、平均を出すために読み込む回数を決めます(一般には5回)。値のばらつきが大きい場合、平均を出すためにさらに回数をふやして読み込むことが必要です。
- ③測定対象となる素地上に厚みのわかっているプラスチック片(シム)などを置き、その上から数回(一般には5回)測定をします。膜厚計はユーザーがプローブを最適な位置に置くまで2秒待機します。最後の測定が終わると膜厚計は計算を行い平均値を表示します。
もし(許容差の範囲内で)期待した値が得られない場合、プローブをプラスチック片表面からはなして、表示値が既知の値になるまで「+」もしくは「-」ボタンを押し、最後に決定のために中央ボタンを押します。
2点調整
- ◆例えば膜厚100μm~500μmの間で膜厚管理を行なうのであれば、薄い方の基準片は100μmかそれより少し薄いもの、厚い方の基準片は500μmかそれより少し厚いものを選んで2点較正調整を行います。
特殊な素地の材質や形状あるいは測定状態の際に用います。決められた限定的な膜厚の範囲内で高い精度が得られます。
- ①『較正設定』メニューから『二点調整』を選択します。
- ②「+」ボタンを押して、薄い方の平均を出すために読み込む回数を決めます(一般に3~5回)。値のばらつきが大きい場合には、平均を得るためにさらに回数をふやして読み込むことが必要です。
- ③設定した回数を繰り返し薄い方の膜厚が予め分かっている基準片(プラスチック製標準片、シムなど)を測定します。プローブを対象表面に当てると、膜厚計はユーザーがプローブを最適な位置に置くまで2秒待機します。最後の測定が終わると膜厚計は工場出荷時に設定された較正条件で測定の平均値を計算します。
- ④プローブを基準片表面からはなして表示される膜厚値が既知の値になるまで「+」または「-」ボタンを押して調整します。その値でよければ中央ボタンを押し決定します。
- ⑤厚い方の基準片に関しても2~4の項目と同様です。