電磁式(電磁誘導式)膜厚計で測れるもの
素地: | 鉄や鋼などの磁性金属およびフェライト系ステンレス※1 |
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塗膜: | 非磁性皮膜…測定条件等などにもよりますが以下に例示するものが一般に測定対象となります 樹脂塗膜、インキ、磁性の無い金属溶射皮膜(アルミや亜鉛など)、ラバー、ほうろう、ガラス、亜鉛どぶづけメッキ※2、硬質クロムメッキ※3など |
- 1:430や405などのフェライト系ステンレス(18Cr系)。
- 2:亜鉛メッキと鉄の境界には合金層ができ、この合金層が磁性を持つため、合金層の大半を素地として認識します。合金層の上の層から亜鉛として認識するため重量法によって計算された厚みより薄めに表示されます。
- 3:電解ニッケルおよび無電解ニッケルメッキは測定が困難です。
渦電流式膜厚計で測れるもの
素地: | アルミやオーステナイト系ステンレス※1などの非磁性金属 |
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塗膜: | 絶縁性皮膜…測定条件等などにもよりますが以下に例示するものが一般に測定対象となります 樹脂塗膜、インキ、アルマイト(陽極酸化被膜)、ラバー、ほうろう、ガラスなど |
- 1:304、316、316Lなどの18-8系ステンレス。
ただし冷間圧造、ローリング加工、あるいはたたいたり伸ばしたり研磨するとオーステナイト組織が変態しマルテンサイトを含む2層組織化することが知られています。このような場合磁性を生じます。加工の度合いにより磁性を生じたり、発生した磁性に強弱が生じたりします。加工部分を避けて測定してください。
最低素地厚
最低素地厚は、電磁式の場合300μm、渦電流式の場合100μmと言われますが、安定した測定のためには電磁式の場合500μm、渦電流式の場合300μm以上あることがこ好ましいようです。